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これからの外国人材について考える〜日本の人材不足問題と技能実習、特定技能で働くベトナム人

コロナ禍の現在でも、街中で外国人が働いている姿を目にします。コンビニ、飲食店、ホテル、工場、介護施設など、今や外国人の存在は私たちの生活の中で当たり前となっています。特に地方では労働力不足が顕著で、外国人労働者の存在なしには経済が回らない、という問題も出てきています。

 

日本の経済に必要不可欠となった外国人材。その中でも注目すべきは技能実習と特定技能ビザで働くベトナム人の増加。

今回は、日本の人材不足問題と、在留ベトナム人労働者について考えていきましょう。

 

在留外国人の数

 

コロナ禍で新規来日する外国人の数は例年に比べ減っていますが、現在はどのくらいの外国人が日本に住んでいるのでしょうか。

2020年末の在留外国人数は288万7116人で、日本の総人口(2020年12月1日時点)1億2,565万1千人の約2%を占めています。

2%という数字、あなたは多いと思いますか?少ないと思いますか?

 

国籍別在留外国人の数

 

2021年3月31日 法務省出入国在留管理庁報道発表資料によると、国籍別在留外国人は以下のようになっています。

 

中国:77万8112人(前年末比▲4.4%減)

ベトナム:44万8053人(同+8.8%増)

韓国:42万6908人(同▲4.4%減)

フィリピン:27万9660人(同▲1.1%減)

ブラジル:20万8538人(同▲1.5%減)

ネパール:9万5982人(同▲0.9%減)

インドネシア:6万6832人(同▲0.0%減)

台湾:5万5872人(同▲13.7%減)

米国:5万5761人(同▲5.8%減)

タイ:5万3379人(同▲2.6%減)

 

出典:2021年3月31日 法務省出入国在留管理庁報道発表資料

 

上記データによると、日本における在留ベトナム人数は44万8053人。2019年末時点と比べて+8.8%(+3万6085人)増加しています。この数字はの過去最高の在留ベトナム人数です。上位10か国のうち、前年末比で人数が増加したのはベトナムのみとなっています。他9か国はいずれも減少となりました。

コロナ禍でも増加していたのはベトナム人のみです。

 

在留ベトナム人の増加率

 

在留ベトナム人数は、2008年末の4万524人から比べ、約11.1倍に増加しています。この増加率は他の国と比べても目を見張るものがあります。

 

在留外国人におけるベトナム人の比率

 

44万8053人の在留ベトナム人の構成比は全体の15.5%となっています。この数字は、中国の77万8112人(構成比27.0%)に次いで2位となります。

今まで2位をキープしていた韓国の42万6908人(同14.8%)を初めて超えたことになります。

 

ベトナム人の在留資格

 

ベトナム人中長期在留者の在留資格は以下の通りとなっています。

 

技能実習:20万8879人(前年末比▲4.5%減)

留学:6万5653人(同▲17.2%減)

技術・人文知識・国際業務:6万1181人(同+18.3%増)

特定活動:4万1331人(同+551.0%増)

家族滞在:2万5961人(同+20.1%増)

永住者:1万8472人(同+7.5%増)

定住者:5739人(同+1.6%増)

日本人の配偶者等:4983人(同+8.3%増)

その他:1万5851人(同+131.7%増)

 

「技能実習」と「留学」については、コロナの影響が顕著に見られます。国家間の移動制限が行われたことが影響し、前年よりも減少しています。

「技能実習」と「留学」の減少が目立ちますが、在留ベトナム人全体数としては前年度より増加しています。

コロナ禍の措置として設けられた在留資格の変更によって【特定活動】に移行した人数も前年度より増加しています。

※入国在留管理庁において、新型コロナウイルス感染症の影響により解雇等され、実習が継続困難となった技能実習生等の日本での雇用を維持するため、特定産業分野における再就職の支援を行うとともに、一定の要件の下、「特定活動」の在留資格を許可し、外国人に対する日本での雇用を維持するための支援が行われています。 

「家族滞在」(ベトナム人の配偶者や子供など)の増加率も大きくなっています。日本で長期的に働く人が増えていると考えられます。

 

コロナ禍の措置として、技能実習ビザから特定活動ビザへの切り替えが多くありました。

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減少した中国人技能実習生、増加するベトナム人技能実習生

 

以前は技能実習生といえば中国人でした。しかし中国の急速な経済発展に伴った富裕層や中間所得層の増加により、日本で働くことを希望する中国人の数は年々減少しています。わざわざ地元を離れ日本で働くより、自国で働く方が稼げるようになってきたのです。日本は今や中国にとって魅力的な稼げる国ではなくなってしまったのです。

日本の慢性的な人材不足を補うために、多くの日本企業はベトナム人技能実習生の受け入れをスタートしました。近年ベトナム人の技能実習生が増加していますが、これは技能実習制度の拡充や中国人技能実習生の減少が背景にあります。

現在は技能実習といえばベトナム人、のイメージとなっていますよね。

 

日本国内の外国人労働者数

 

2020年10月末時点の外国人労働者数は172万4328人。2007年に届出が義務化して以来、過去最高の数字を更新しました。

コロナ禍の影響を受け、増加率は前年同期比+4.0%と、伸び率は大幅に低下しました。(ちなみに前年は増加率+13.6%)

外国人労働者を雇用する事業所数は+10.2%増の26万7243か所で、こちらも過去最高を更新しました。

労働力確保のため、外国人労働者を採用したいという企業が年々増加しています。

 

国籍別外国人労働者トップ5

 

ベトナム 44万3998人(全体の25.7%)

中国 41万9431人(同24.3%)

フィリピン:18万4750人(同10.7%)

ブラジル:13万1112人(同7.6%)

ネパール:9万9628人(同5.8%)

 

厚生労働省が発表した2020年10月末現在の外国人雇用届出状況によると、日本におけるベトナム人労働者数はの44万3998人(前年比+10.6%増)となりました。この数は全体の25.7%を占めており、国籍別で中国を抜いてトップ、増加率も最も高くなりました。

日本で働く外国人労働者の中で、ベトナム人が国籍別で1位となりました。

 

ベトナム人労働者数推移

 

2012年:2万6828人

2013年:3万7537人

2014年:6万1168人

2015年:11万0013人

2016年:17万2018人

2017年:24万0259人

2018年:31万6840人

2019年:40万1326人

2020年:44万3998人

 

年々ベトナム人労働者は増加しており、今後もしばらくは増加傾向が続くと見られています。

 

人材不足の日本、技能実習生が経済を支える

 

日本における外国人労働者は年々増加しています。中でも大きく伸びているのが、技能実習生。技能実習制度は、外国人に日本で技能を習得してもらい母国に持ち帰るという技能移転を目的として作られた制度です。しかし実際の日本の多くの現場では、人手の不足を充足するために使われているという現実があります。

技能実習生の待遇については、セクハラやパワハラ、超過残業や契約賃金違反など、労働環境や待遇面で改善すべき点や、仲介業者に支払う高額の手数料など、問題点も多くあります。

技能実習生は2020末時点で約37万8千人。これは5年前と比べて約2倍となっています。技能実習生の存在は、日本の経済を支える重要な戦力と言えるでしょう。

今や日本経済に外国人労働者の力は必要不可欠となっています。

 

コロナ禍で入国制限、進む人材不足

 

新型コロナウイルスの蔓延で、世界各国で出入国の制限がありました。その影響で日本への入国が進まず、前年比では外国人労働者は65,524人(約4%)増加しましたが、増加率は13.6%から4%へと大幅に減少しました。それによって、地方の人材不足が深刻となっています。

出入国管理庁は、コロナ禍で雇止めになった実習生に1年間限定で「特定活動」ビザを付与し、1年後に試験をパスすれば在留資格5年の特定技能1号ビザを習得することができる救済策を出し、人材不足に対する措置を行なっています。

コロナ禍で外国人受け入れがストップし、特に地方の人材不足が深刻です。

世界規模で見ても増加する、日本への移民

 

3カ月以上滞在する予定で日本に来た外国人は、世界有数の規模となりました。

日本は先進国であり、治安も比較的安定しているため、近隣のアジアから出稼ぎや勉学などの理由で多くの労働者や留学生が来日します。

国連が発表した2020年の日本への移民人口でみても約277万1000人と、世界24位となっています。外国人技能実習生の増加がこの数字の一因となっています。

 

※移民とは「本人の法的地位や移動の自発性、理由、滞在期間にかかわらず、本来の居住地を離れて、国境を越えるか、一国内で移動している、または移動したあらゆる人」と定義されています。そのため、日本で中期的に働く外国人労働者も世界的には「移民」とされています。

 

日本における「移民」と「外国人労働者」の区別

 

日本では積極的な移民受け入れを行なっていません。ただし、外国人労働者は受け入れる、というスタンスをとり、労働力の確保を進めています。

日本政府が示す「移民」とは、日本国籍取得を前提とするものとしています。そのため、現在受け入れをしている外国人には在留期間を制限して、家族の帯同を基本的に認めないという姿勢をとっています。

日本政府が行なっているのは移民受け入れ政策ではなく、労働力の確保と拡大のために短期的な在留資格となります。

 

人材不足問題を抱える日本の今後の課題

 

日本は人口減少の加速期に入りました。今後さらなる少子高齢化が進むと予想されます。労働力人口も減少していきます。

日本国内の日本人で労働力を望めない以上、海外から労働者を受け入れるしかありません。

しかし、日本はいつまで出稼ぎ先として選ばれるのでしょうか?

経済発展した中国からの労働者は減少し、現在はベトナム、ミャンマー、ネパールなどからの外国人労働者は増えていますが、日本に行って働きたい、と思ってくれるような国づくりを私たちはできているでしょうか?

私たちは「選ばれる国」としての努力をしているでしょうか?

 

日本が選ばれる国となるために

 

国際通貨基金(IMF)の報告書によると、新興国への移民は一人当たりの国内総生産(GDP)が2000ドルを超えると減り、先進国への移民はGDPが7000ドル程度で減り始める傾向があるとのことです。

現在日本で働く労働者のトップ国籍であるベトナムも、2020年にはGDPが2785ドルとなりました。ベトナムの経済がこのまま年7%の成長率を維持したとすると、2030年代初めにGDPは7000ドルに達する予定です。このままではあと10年ほどで日本で働くことを希望するベトナム人が減少する可能性があります。

今後も中長期的に外国人材を確保できるかどうかは不透明です。

外国人に選ばれる国となるため、一時的な外国人労働者雇用ではなく、共に生活する居住者として外国人を受け入れる、安心して働ける環境を整備する、という姿勢を見せることが重要なのではないでしょうか。

 

技能実習、特定技能についてはこちらをご覧ください↓

日本で働くベトナム人を知る〜“技能実習”と“特定技能”の違いを知っていますか?

 

知っているようで知らない?!「外国人技能実習制度」〜在留ベトナム人はどんな制度で働いているの?

 

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