ベトナムをビジネス対象にするのならば、ベトナムの歴史と政治を知っておくことは必須です。なぜならば、ベトナムは世界でも数少ない社会主義国だから。
社会主義国であるベトナムの経済政策はどんなものなのか?私たちの日本と何が違うのか?違いを知り、お互いの文化を理解するところからビジネスはスタートです。
前回は、ベトナムの歴史についてお伝えいたしました。以下の記事をご参照ください。
長く多大な犠牲を払ったベトナム戦争が終わり、これで平和な時代が来る…訳ではありませんでした。
ベトナムの戦いはまだ続きます。カンボジアポル・ポト政権の国境攻撃に対しての戦いが約10年続きます。
ドイモイ政策がスタートし、他国との関係が正常化
ベトナムの国民は、度重なる大きな戦争のため、苦しい生活を強いられてきました。
さらに、社会主義路線が国民の生活を圧迫していったのです。
南北統一後のベトナム政府は、社会主義国建設を目指しました。国がモノの売買を制限し、食料は配給制で、政府主導の計画経済の導入もあり、経済は低迷の一途をたどります。
疲弊した国民は限界でした。
終わらない戦争で国力を使い果たし、上手くいかない社会委主義路線も相まって、国際的に孤立したハノイ指導部は事態の打開を図り、1986年12月にドイモイ(刷新)政策をスタートさせます。
ここが転機となり、1991年にはカンボジア問題の政治解決と対中国関係の正常化が実現します。
その後1995年にはやっとアメリカとの国交が正常化しました。
ドイモイ政策とは
ドイモイ政策とは、1986年から実施された、社会主義体制を維持しつつも緩和し、市場経済を導入して経済の成長を促す政策のことです。
ドイモイ(Doi Moi)とは、共産党大会において提唱されたスローガンで「刷新」を意味します。
べトナム語でドイ(Doi)は変化という意味であり、モイ(Moi)は新しいという意味です。
ドイモイ政策は以下の4つが大きな具体的な政策となっています。
1 資本主義経済の導入(お金でものが買える経済)
2 国際社会への協調
3 国民の生活に必要な産業への投資(農業、食料品など)
4 社会主義政策の緩和
この政策によりベトナムは工業化を進め、農業の生産量も飛躍的に増加しました。
特に、資本主義経済の導入は国のそのものが大きく変わりました。今まで配給制であった生活から、お金でモノを買う生活へと一変したのです。
ドイモイ政策で国民の生活が大きく変化
資本主義経済の導入がなされたことにより、べトナム国民は私企業、私有財産を持てるようになりました。働けば働くほど豊かになる、ということです。人々の金銭的価値観が変化していき、勤労意欲が増加。それに伴い、生活が豊かになる人も増えました。
革新的なドイモイ政策でしたが、当初は大きな変化に伴い、様々な困難もありました。
ドイモイ政策が始まった当初、ベトナム通貨「ベトナムドン」は価値を下げ、推定率700%を超える物価上昇率という、信じられない高インフレーション状態となりました。
ベトナムのASEAN加盟
また、社会主義政策の緩和により、1995年にASEANへの加盟を果たします。
海外資本の投資も受け入れるようになり、外国資本の企業がベトナムで活動できるようになりました。積極的な対外開放政策は今でも続いており、多くの外国資本の企業がベトナムでビジネスを展開しています。
ドイモイ政策が実を結び、経済が成長
1989年ベトナム軍のカンボジアからの撤退、1992年日本のODA(政府開発援助)の再開と、国際関係の回復にしたがって、1990年代初め頃から経済の安定と成長にドイモイ政策の効果が現れ始めました。
1992年以降は実質経済成長率が8%に達する年も。近年の平均では6〜7%の経済成長率をキープしています。GDPは2000年から2010年の10年間で倍増しました。
農業も生産率が飛躍的に上昇しました。ベトナムの主食、米についても、以前は海外からの輸入に依存していましたが、1989年には一転して、輸入国から世界3位のコメ輸出国となりました。
引き続きベトナム政府はさらなる近代工業国家を目指して、高い経済成長を目標とする方針を掲げています。
経済成長を続けるベトナムは、自国だけでなく、海外で活躍する人も増えてきました。訪日ベトナム人も増え、日本への留学生や技能実習生を始め、今や街中でベトナム人を見かけない日はありません。
ベトナムに拠点を置く外国企業も年々増加しています。
ドイモイ政策で大きく変化したベトナム。今後も経済成長が見込まれ、世界から注目されています。
次回は、ベトナムとのビジネスには必須の知識、ベトナムの政治についてお伝えしていきます。
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