街コレ Vol.4−愛媛県−

日本全国、さまざまな地域の文化や名産品、ちょっと変わった風習やあれこれをコレクションする連載企画『街コレ』。前回の九州・大分県に続き、第4回目は四国に突入し、愛媛県を紹介しましょう!

 

一次産業が盛んな南予、二次産業が中心の東予、主に三次産業で成り立っている中予と、大きく3地方に分けられる愛媛県。そのためか、同じ県内でも方言や気質、文化などが少し異なるとか。人口約140万人と、四国では頭一つ抜けた規模であり、観光スポットも充実。名物のみかんやタオルだけに終わらせない、本当の魅力に迫った。

 

 

戦国末期に建てられた天守閣を残す「松山城」

 

愛媛県の県庁所在地にして、四国最大の人口を擁する松山市。その発展の軸となったのが松山城である。創設者は羽柴(豊臣)秀吉に見出され、賤ヶ岳の合戦で七本槍に数えられた加藤嘉明。1602年に築城を開始し、四半世紀もの長い年月をかけて完成させた。

江戸時代以前に建造された天守を有する数少ない城郭であり、日本で12カ所しか残っていない「現存12天守」の1つとしても知られている。2006年には「日本100名城」、翌年「美しい日本の歴史的風土100選」に選定され、歴史好き以外の人々も多く訪れるように。

 

松山城ホームページ
HP:https://www.matsuyamajo.jp

 

 

日本一の海城と称される「今治城」

「松山城」に劣らない存在感を示すのが、1602年に築城スタート、約11年後に完成した「今治城」。松山市に隣接する今治市の瀬戸内海沿いにあり、迫力ある景観を楽しめる海城だ。建てたのは築城の名人である藤堂高虎。海水で埋めた広大な堀、国内最大級の船入を備えた城内港など、知将高虎ならでは工夫が光る。

日没30分後から23時までは、明るさや色、角度など、計算し尽くされた約100個の照明によるライトアップがなされ、幻想的な光景にチェンジ。昼間の力強い姿とのコントラストが面白い。

ちなみに、今治市といえばタオルの名産地。国内生産の60%を占め、クオリティも段違い。各地にタオル会社や販売店があるのでチェックしたい。

 

今治城ホームページ
HP:https://museum.city.imabari.ehime.jp/imabarijo/

 

 

観光列車「伊予灘ものがたり」に乗って絶景満喫

愛媛の海沿いを走る「伊予灘ものがたり」は、1日4便運行している観光列車。夕日を連想させる茜色と、太陽や柑橘類の輝きが表現された黄金色、2色が基調のデザインで、贅沢な2両編成なのが特徴である。海向きの展望シート、ファミリーや友人たちと楽しみたい4名用ボックスシート、デートにぴったりな2名用対面シートが用意され、事前に予約すれば愛媛産食材を豊富に使った本格料理まで味わえる。

ルートは松山〜伊予大洲と松山〜八幡浜のみ。途中の各駅では地元の方々によるパフォーマンスが楽しめる時も。

 

伊予灘ものがたりホームページ
HP:https://iyonadamonogatari.com

 

 

日本独特の信仰、風習を学べる「石鎚山」

標高1982mの天狗岳を抱える、西日本最高峰の「石鎚山」は、古くから山岳信仰の対象として崇められてきた。日本七霊山に含まれ、奈良時代には修験道の道場として栄えたそう。現在は複数の登山道があり、体力や経験に応じて選択が可能。なかには垂直に切り立った崖を、鎖によって登る珍しいコースも。自信がなければ西条市から石鎚登山ロープウェイの利用を。瀬戸内海や土佐湾を一望できる山頂でのひと時は格別。運が良ければ中国山地、九州山地まで遠望できるかも。

毎年7月1〜10日は”お山開き”の神事が執り行われる。山伏の格好をした、たくさんの信者たちが登山しにくるが、初日の1日だけは伝統の名残りで女人禁制。女性は山頂まで登れないので避けること

 

 

日本最古の温泉「道後温泉」は愛媛の顔

日本の史書、古事記や万葉集に登場することから、3000年の歴史を持つとされる「道後温泉」。もちろん、日本最古の温泉であり、本館は建物全体が国の重要文化財に指定されている。小説、映画の舞台になることだって多く、愛媛松山のシンボルに相応しい。趣ある道後の街を浴衣姿で散策するのも一興だ。

 

 

夏目漱石が作中に描いた浴室も現存する

明治時代の文豪、夏目漱石の代表作”坊ちゃん”に登場するのが「神の湯」である。小説のなかで主人公が泳いだ浴室であり、壁には「坊っちゃん泳ぐべからず」との注意書きが。実際にも銭湯感覚で気軽に利用できる温泉として人気が高い。じっくり浸かればスベスベ肌を獲得できること間違いなし。

 

道後温泉ホームページ
HP:https://www.dogo.or.jp

 

 

豊富な海産物に険しい山々が見せる景色、本州にはない伝統、それに日本最古の温泉など、いろんな刺激に溢れる四国随一の観光エリアが愛媛県。松山市役所近くの「えひめ愛顔の観光物産館」では、お土産販売だけでなく観光案内もしてくれる。ビギナーツーリストなら積極的に利用しよう。

 

愛媛の観光情報WEBサイト いよ観ネット
HP:https://www.iyokannet.jp

 

 

Edit & Text:K.Sachio

<PROFILE>

エディター・ライター。ファッション雑誌を中心に、カルチャー系や飲食モノなど、多ジャンルで活動している。動物と家族を愛するハードな甘党。

コメント

ページトップに戻る