社会主義国であるベトナムについて、どれくらい知っていますか?
世界でも5カ国しかない社会主義国。未知の部分が多いイメージかもしれませんね。
ベトナムをビジネスターゲットとする企業、自治体は年々増加傾向です。
違いを知り、お互いの文化を理解するところからビジネスはスタートです。
前回は、ベトナムの政治体制についてお伝えいたしました。
今回は、ベトナムの政治に関して注意すべきこと。
以下、前回の記事もご参考ください。
社会主義とは、貧富の差を無くし、国民全員が平等であることを理想としています。
そのため、財産の管理を国が行うのが基本です。しかし、それによって国全体の経済の活力が衰えることは否めません。もちろん外資も入りません。それが社会主義です。
しかしベトナムは他の社会主義国とは異なった道を歩みます。
ドイモイ政策により自由主義経済を取り入れる
社会主義経済に行き詰まったベトナムは、1986年「ドイモイ政策」という政策をスタートしました。このドイモイ政策は自由主義経済を取り入れたもので、個人の財産を認めるものです。それに伴い経済が活性化、民間企業の起業も進み、さらに外資企業の参入も進みました。
ドイモイ政策の成果が出始めたのは90年代後半からです。ベトナムのGDP、経済成長率も右肩上がり、外資企業がどんどんベトナム経済に参入します。
2000年代に入ると、中国リスクを懸念した企業が東南アジアへと拠点を移す「チャイナプラスワン」としてベトナムが挙げられるまでになりました。
変化するベトナムのビジネス環境
近年ベトナムは、外資系企業誘致にむけ、不動産登記や納税に係る各種手続き時間・回数等の削減等、ビジネス環境の向上に国を挙げて取り組んでいます。
世界銀行の2019年版「ビジネス環境ランキング(Ease of Doing Business Ranking)」におけるベトナムの順位は、総合70位となりました。
ベトナムでは今後ますますビジネス環境の向上に注力し、2025年までにはビジネス関連の行政・認可手続きに係る手間・時間をさらに20%削減することを目標としています。
一方で古い慣習も根強い
国際的なビジネス環境が整う中、賄賂や横領のような汚職文化もまだまだ市民の生活に残っています。
ベトナム国内で公表された「ベトナム腐敗バロメーター」報告書(Towards Transparency 2020)においても、調査時点の2019年で、過去12ヵ月間に汚職が増えたと感じている回答者の割合(43%)は、減ったと感じている回答者の割合(26%)を上回ったそうです。
ビジネス環境の改善が急速に進むベトナムですが、何かを依頼する場合に袖の下が必要だったり、コネや根回しがないと話が進まなかったり…と、まだまだ悪しき慣習が根強く残っていることが課題となっています。
旅行者でも実感、ベトナムは政府の権力が強い!
社会主義の特徴の一つとして、政府の権力が強いことが挙げられます。
私たちがベトナムに旅行に行った場合でも、警察の力が日本よりも強い、ということを忘れないでください。
警察が外国人を呼び止め、何かしらの理由をつけて賄賂を要求することもあります。
全くこちらに非がないとしても、警察と喧嘩してはいけません。日本と同じと考えては大変なことになります。こちらに問題がない場合でも、大人しく従うのが懸命です。
政府の悪口は厳禁!
社会主義であるベトナムの刑法79条には「国家転覆罪」というものがあります。
これは「公の場で政府を批判してはいけない」ということです。外国人旅行者にもこの国家転覆罪は適用されます。この罪はとても重く、懲役何年、何十年という、かなり重い罰を受けることになる可能性があります。
街中でベトナム政府の悪口や政治の批判は危険です。SNSや個人のHPなどでも批判は厳禁です。政府の批判は絶対にしてはいけません。
ビザに関する法律もちょくちょく変わる
ベトナムでは法律の変更も頻繁にあります。
私たち旅行者がその影響を受けるのはビザ(査証)に関してでしょうか。
ベトナムに入国する際の滞在ビザの法律も変わることがよくあります。
短期旅行15日以内であればビザの必要はありませんので、短期旅行者はあまり気にする必要はないかもしれせん。
影響を受けるのは中長期滞在者、そして在住者です。ビジネス目的でベトナムに滞在する場合は、滞在についての法律を確認しておきましょう。
いかがでしたでしょうか?
政治体制はベトナムの経済にも影響を及ぼします。ベトナムをビジネスターゲットにするならば、ベトナムの政治について理解をしておきましょう。
ベトナム市場に参入する際には、ベトナムがどのような道を歩んで現体制となったのかを知っておくことが大切です。
これまでの記事も是非ご覧ください。
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