大都市は、エリアや区ごとに特徴があります。
東京であれば銀座や渋谷、原宿、浅草、秋葉原、新宿など、エリアによって全く違う雰囲気がありますね。
ベトナムの都市でも同じように、エリアごとに特徴が異なります。
今回は、ベトナムの代表的な都市、ホーチミンのエリアについて、特徴をご紹介します。
ベトナム最大の経済都市!ホーチミン
面積‥2095㎢(東京都と殆ど同じ)
都市人口‥約900万人(人口の10%)※2021年時点
人口密度‥4,400人/㎡(2019年)
気候‥熱帯モンスーン気候 年間を通して温暖
ここ数年、ホーチミン市の人口は毎年+20万~40万人のペースで増加しています。ホーチミンはベトナムで最も人口が多い都市となっています。
ホーチミンは5大政府直轄都市(政府の管轄を直接受ける都市)の一つです。
(ホーチミンの他、ハノイ、ダナン、ハイフォン、カントーが5大政府直轄都市)
ホーチミンは行政区画が設定されており、市街地区と郊外県に分けられています。
区は市街化されており、1区から12区までは数字の区番号、区番号の付かない7つの区はビンタインやゴーヴァップなどの地名がついています。
郊外の5つの県は多数の村や町から成り立っており、農業が盛んです。
2020年12月よりトゥドゥック区、2区、9区が合併して「トゥドゥック市」(イノベーションシティ「東部都市」)が設立され、人口100万人超の巨大都市が誕生しました。
これにより、ホーチミン市は16区、新都市1市、郊外県5県の構成となりました。
首都ハノイとは異なるホーチミン
ホーチミンは首都ハノイと並ぶ大都市ですが、ハノイとは雰囲気が異なります。
政治的影響力が強く、保守的な北部の首都ハノイに対して、商業が発達したホーチミンは明るくオープンな雰囲気で、新しいものをどんどん取り入れる風潮があります。
人々の性格も異なり、真面目で勤勉なハノイ、楽観的でフレンドリーなホーチミン、という違いがあります。
ホーチミンは国内総生産の21.3%、国の歳入の31.7%、輸出の21.7%を占めています。
ベトナムへの観光客のうち半数以上がホーチミンを訪れます。
1区
面積:7.71 km²
人口:約22.7万人
人口密度:29,547 人/km²
1区はホーチミン市の行政・経済・観光の中心地。
有名なドンコイ通り、レタントン通り、グエンフエ通り周辺には歴史的建造物、ホテル、飲食店、高層商業ビル、デパート、コンドミニアムなどが立ち並びます。生活にはとても便利な場所です。「日本人街」と言われるレタントン通りには、数多くの日本食レストランやスナック、カラオケ店などがあり、日本人駐在員や観光客に人気のエリアとなっています。
そのため、不動産の価格は非常に高くなっています。
観光地としても有名で、サイゴン大教会、旧大統領官邸の統一会堂、水上人形劇で有名なベトナム歴史博物館、日本とも縁のある永厳寺などもこのエリアです。
空港まではタクシーで20分ほどの距離にあります。
2区(2020年12月に合併により消滅)
(旧)面積:50km²
(旧)人口:約16.87万人
2区は、2020年12月9日に9区・トゥドゥック区と合併してトゥドゥック市(イノベーションシティ「東部都市」)となり消滅しました。この合併により人口は100万人超の巨大都市が誕生しました。
3区
面積:4.92km²
人口:約22.4万人
人口密度:45,528 人/km²
3区は1区と共に市街の中心。
行政機関や各国の大使館、領事館が多くあります。ここ3区に日本国総領事館もあります。
1区にほど近いエリアには高層商業ビル、ホテル、レジデンスなどが集まっており、とても便利で人気のある区です。
発展したイメージですが、郊外にはベトナムらしい古き良きサイゴンの風景を残しています。
3区には日本人が多く住んでいます。日本食レストラン、スーパーやコンビニなども多いため、日本人が生活するには非常に便利です。
1区よりは不動産価格は低めです。
4区
面積:4.18km²
人口:約18.5万人
4区は、ホーチミン市で最小の区です。
1区のビジネス街と川を挟んで隣接しており、サイゴン川とベンニャ川に囲まれた三角州エリアでとなっています。旧サイゴン港があった、交易要所です。
かつてはベトナム全土からホーチミン市へ仕事を求めて人が集まり、スラム化が進み、貧困層の集まる治安の悪いエリアとされていました。現在は川沿いを中心にインフラの整備も進み、以前と比べ安全になっています。
1区へのアクセスの良さから、ベンニャ川沿いのベンバンドン通りには、景観と立地の良さを生かした高級コンドミニアムが続々と建設され、外国人も多く暮らすようになり、ハイエンドエリアに生まれ変わりつつあります。
5区
面積:4.3km²
人口:約21.1万人
人口密度:49,438 人/km²
5区は、中国人(主に福建省出身者)が集まって形成された地区で、ベトナム最大の中華街チョロン(6区、10区、11区に跨るベトナム最大の中華街)の中心です。
公的医療機関が数多く集まっており、ベトナム三大国立病院として名高いチョーライ病もここ5区にあります。
市を代表する通りの一つであるチャオフンダオ通りを中心に観光地となっています。
中華街チョロン(Cho Lon)
チョロンは、ホーチミン市5区を中心として6区、10区、11区にわたる、ベトナム最大の中華街(チャイナタウン)。ベトナム全土の華僑、華人の60〜80%がこのチョロンに居住しており、その数は50万人以上。飲食店をはじめとする華僑の店舗が立ち並ぶ、東南アジアの風情を感じる活気溢れた街です。
6区
面積:7.19km²
人口:約24.3万人
6区は5区と並んで中華街チョロンを形成する区です。この6区に住む人々の30%は中国系が占めており、チョロンのベッドタウンとなっています。
6区は中国とベトナムの文化が入り混じる独特の雰囲気が漂っており、中国調の歴史ある寺院も数多く存在します。
チョロンエリア以外ではベトナムらしいローカルな雰囲気が残っています。
いかがでしたでしょうか?
今回はホーチミンの中心である1区から6区までをご紹介しました。
一言でホーチミンと言っても、地区によって全く異なる表情がみられるのが面白いですね。
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