街コレ Vol.2−岐阜県−

日本全国、さまざまな地域の文化や名産品、ちょっと変わった風習やあれこれをコレクションする連載企画『街コレ』。前回の青森県に続き、第2回目は、岐阜県を特集します!

 

外国人観光客から熱視線を注がれている「岐阜県」

戦国時代の英雄、織田信長が命名したといわれる「岐阜県」。人口約200万、北は飛騨山脈を中心に険しい山々が連なり、南には濃尾平野が広がっている。刀剣、包丁類や陶磁器の生産が古くから盛んで、今もお土産として人気が。内陸だからこその濁りのない河川、深い緑の森林など、自然あふれる名所が多く、飛騨牛や鮎といったグルメまで充実。最近では県内各地がアニメの舞台になっており、ファンたちから聖地的に扱われることも多い。

 

昔ながらの日本の暮らしが垣間見える「白川郷」

他に類を見ない建築様式、”合掌造り”が残るエリアとして、1995年にユネスコの世界文化遺産に登録された、岐阜と富山の県境に位置する「白川郷」。新たに築かれない貴重な建物だけでなく、山間ならではの静かで澄んだ空気や美しい景色まで楽しめるだけあり、国内外から多くのゲストが足を運ぶ。

水田と水路がそこらじゅうに存在し、四方を山に囲まれた集落にいると、なんだかかつての日本人の暮らしが蘇ってくるよう。また、歩いて登れる展望台からは郷を一望でき、春夏秋冬に応じた景観が待っている。

バスが名古屋駅や金沢駅、富山駅、高山駅、高岡駅などから出ており、分かりやすいアクセスなのも人気を支えるツボ。

 

 

伝統と知識が詰まっている”合掌造り”

手を合わせた姿勢の”合掌”が由来となっている”合掌造り”の家屋たち。重厚な茅葺屋根が風向きや日照率の都合で、ほぼ同じ方向を向いているのが面白い。なかには内部見学が可能な家屋も。囲炉裏や金属釘をほとんど使わない工法など、日本らしい伝統や技術が学べる。

田植えまつりやどぶろく祭、集落ライトアップなど、各種イベントもシーズンによって開催。スキー、キャンプといった周辺で遊べるアクティビティと合わせてチェックしたい。ただし、住民たちに迷惑をかけないよう、見学は基本的に8〜17時まで。ゴミのポイ捨てや歩きタバコなどもご法度だ。

 

世界遺産 ひだ白川郷

https://www.shirakawa-go.gr.jp

 

 

国指定重要無形民俗文化財の漁法「長良川鵜飼」

岐阜県を流れる長良川で行われる「長良川鵜飼」は、篝火に驚いた鮎を鵜に捕らえさせる、約1300年前から伝わる古典漁法。そのファンタジックな姿と迫力、独特な衣装を纏った鵜匠と、10数羽の鵜が見せるコンビネーションに驚くこと間違いなし。残念ながら獲物は皇室へ献上されたり、明治神宮や伊勢神宮に奉納されたりと、まず一般には出回らないそう。期間は毎年5月11日から10月15日まで。清流のなか、日が落ちてから開催されるため、避暑にもぴったり。ぜひ、観覧船に乗って間近で体験してほしい。

 

ぎふ長良川鵜飼

https://www.ukai-gifucity.jp/ukai/

 

 

日本を代表する「下呂温泉」

「下呂温泉」は江戸の時代から草津、有馬と並ぶ日本三名泉の1つ。肌へのあたりがやわらかく、優しい香りの泉質が魅力で、美人の湯としても知られている。街にはホテルや旅館が60軒近く連なり、シンボリックな噴泉地無料露天風呂をはじめ、あちこちに足湯、立ち寄り湯と呼ばれる外湯が。宿以外の温泉を巡るだけでも楽しみは十分。名産の日本酒を一杯やってから、のんびり外湯散策なんて理想かも。

 

足湯で疲れをとりつつコミュニケーションも満喫

下呂温泉初の足湯である”鷺の足湯”や、ヒノキを多用した”合掌の足湯”など、無料で浸かれるスポットが点在する。散策に疲れたら湯あたりしない足湯でリフレッシュ! そして、次の目的地へ。このローテーションが下呂流の過ごし方。気軽に人々が集う場所なので、居合わせた者同士で情報交換するのも醍醐味だ。

 

下呂市公式ホームページ

https://www.city.gero.lg.jp

 

日本国内に住む人たちにとってはどちらかというとマイナーな県だが、観光スポットとしての底力はトップクラス。実際、各市町村の公式ホームページは多言語化が進んでおり、外国人でも見やすい構成となっている。海外ゲスト受け入れのためのマニュアルを作成したり、英語版ガイドブックを発行したり、地域ぐるみでウェルカム体制だから、今後より知名度が上がっていくことだろう。

 

 

Edit & Text:K.Sachio

<PROFILE>

エディター・ライター。ファッション雑誌を中心に、カルチャー系や飲食モノなど、多ジャンルで活動している。動物と家族を愛するハードな甘党。

 

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