日本全国、さまざまな地域の文化や名産品、ちょっと変わった風習やあれこれをコレクションする連載企画『街コレ』。記念すべき第1回目は、りんごや三味線で知られる本州最北の地「青森県」をフィーチャー。
青森県は人口約130万人。本州最北端にして、全国トップクラスの農業産出県である。なかでもりんご、長芋、にんにくは生産量日本一。海産物においても八戸港を有し、サバとイカの水揚げがトップを誇っている。当然、グルメ三昧の旅だって醍醐味の1つ。しかし、北国だからこその自然や文化、明確な四季の変化などを楽しむのが本命だぞ。
津軽地方を代表する名所「弘前公園」。
総面積約49万2000㎡を誇り、弘前市の中心部に位置する「弘前公園」。弘前藩10万石を治めた津軽家代々の居城、弘前城がもとになっており、今も天守や櫓、城門などの名残りが。この規模の城郭が姿を変えることなく、公園として開放されているのは全国的にも珍しく、観光客やファミリーはもちろん、コアな歴史ファンまで多く魅了。
日本一とされる桜祭り、お濠や天守の白壁が真っ赤に染まる紅葉まつり、巨大雪像やミニかまくらが登場する雪灯籠まつりなど、春夏秋冬が感じられるイベントも多数開催される。
春を知らせるバリエーション豊かな桜たち。
樹齢100年の大シダレ桜、日本最古のソメイヨシノ、津軽地方に自生するカスミザクラなど、園内には多種多様かつ貴重な桜が豊富に植えられている。なかには平均樹齢を越す木も存在。それでも立派に花を咲かせるため、日本一の管理技術と専門家から絶賛されているそう。
弘前公園 青森県弘前市下白銀町1 https://www.hirosakipark.jp
200万人以上が参加する大迫力の「青森ねぶた祭り」。
毎年八月二日〜七日に、青森駅周辺で開催されるのが「青森ねぶた祭り」だ。参加者=ハネトたちの掛け声とともに、”ねぶた”と呼ばれる巨大な山車灯篭が練り歩く姿はインパクト抜群。本来は七夕の灯篭流しが起源とされ、”穢れ”を海や川に流す神聖な行事である。とはいえ、ハネト用の衣装さえ揃えれば、誰でも参加可能できるフランクさも持つ。衣装は青森県内のデパートで扱っており、一式10000円ほど。観るだけでは得られない楽しみ、興奮を味わいたいなら積極的に参加を。
また、JR青森駅の海手には「ねぶたの家 ワ・ラッセ」が。シーズンでなくとも青森ねぶた祭りを体感できる。
青森ねぶた祭りオフィシャルサイト https://www.nebuta.jp
美しい水の風景に圧倒される「十和田湖」。
青森県と秋田県にまたがる「十和田湖」は、東北随一の景勝地として知られる。空と山、湖が融合した大パノラマ、美味しい空気、四季を如実に反映するカラーなど、いつ訪れても圧巻。その感動は決して人工物では味わえないものであり、東北を旅するなら必ず寄るべきスポットだろう。
たくさんの見どころを擁する奥入瀬渓流。
十和田湖から約14km流れる河川が奥入瀬渓流。千両岩や銚子大滝、白銀の流れといった、自然が生み出した素晴らしい風景に癒される、十和田湖観光のマスト散策エリアだ。渓流沿いの遊歩道では4時間半ほどのトレッキングが楽しめ、おすすめは新緑や紅葉の時期。日本ならではの自然美が堪能できるはず。
十和田湖国立公園協会 https://towadako.or.jp
ほかにも八甲田山、城ヶ倉大橋、ネットで有名なブサかわ犬わさおなど、青森県でしか出会えない風景とモノはまだまだ存在。また次の機会があれば、さらに掘り下げて紹介しよう。
出展:青森県観光情報サイト「アプティネット」
Edit & Text:K.Sachio
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エディター・ライター。ファッション雑誌を中心に、