街コレ Vol.3−大分県−

日本全国、さまざまな地域の文化や名産品、ちょっと変わった風習やあれこれをコレクションする連載企画『街コレ』。前回の岐阜県に続き、第3回目は、大分県を特集します!

4538ヵ所もの源泉を擁する大分県。人口120万足らずながら、日本一の温泉県として栄え、多くの人々が湯治に訪れる。歴史ある神社や武家屋敷も残っており、散策の楽しみだって十分。一尾一尾を一本釣りで揚げる関サバ、関アジは、全国のグルメを唸らせる絶品だ。昆虫ファンなら5月〜6月に飛来する、姫島のアサギマダラが興味深いだろう。

 

日本を代表する温泉地の景観が一望できる「湯けむり展望台」

別府市は源泉の数、湧き出る湯量ともに日本一。九州はもちろん、全国で最も知られる湯治場である。特に別府八湯と呼ばれる8つの温泉郷は、それぞれが個性的。さまざまな泉質を同じ市内で楽しめるわけだが、そのうちの鉄輪温泉を望む「湯ゆけむり展望台」は密かな名所だ。街に立ち上る湯けむりに、野性味溢れる鶴見岳や扇山と、非日常感たっぷりの風景を満喫できる。夜になれば湯けむりがライトアップされ、よりファンタジックなムードに。

 

 

最も美しい記念物と称される「風連鍾乳洞」

臼杵市を走る国道10号線。中心地から佐伯市方向にちょっと離れると「風連鍾乳洞」への案内が。奥行き約500m、1つしか出入り口がない閉塞型のこの鍾乳洞は、外気の侵入が少ないため風化しにくく、半永久的に真っ白く輝き続ける。天然エアコンのおかげで温度は一定に保たれており、どの季節でも快適。日本一美しい鍾乳洞との呼び声高く、天然記念物に指定されているのも納得である。

 

 

「高崎山自然動物園」でワイルドな日本猿たちと戯れる

大分市と別府市に挟まれた標高約628mの高崎山には、野生のニホンザルが1500頭以上生息する。その猿たちを目の前で観察できるのが「高崎山自然動物園」。餌付けタイムに押し寄せる、野生味満点の群れは大迫力だ。四季折々の表情を見せる園内を散歩するだけでも満足できるはず。特に秋は紅葉が美しいと評判。

近隣には大型水族館「うみたまご」が。県南のリアス式海岸が再現された大回遊水槽で、魚たちのダイナミックな動きを見ることができる。

 

高崎山自然動物園
HP:https://www.takasakiyama.jp/

 

 

「別府温泉」には1日では回りきれないバラエティ豊かな温泉が

文句なしに日本を代表する温泉地である「別府温泉」。別府駅の周囲一帯に広がり、各湯までアクセスしやすいのも人気の所以かも。観海寺、堀田、浜脇など、名湯揃いの別府八湯のなかでも、オススメは海岸沿いの亀川温泉。地熱で温められた砂を”砂掛けさん”にかけてもらう砂風呂は、ほかではなかなか味わえない。海風を浴びながら体の芯までホカホカ。なんとも爽快で不思議な気分に。

 

 

別府に並ぶ人気と知名度を誇る風光明媚な「湯布院温泉」

「湯布院温泉」は温泉だけでなく、由布岳と金鱗湖が織りなす絶景で知られる。温泉が流れ込み、湖底からも湧き出ているとされる金鱗湖は、秋から冬の早朝に霞がかった幻想的な風景を生み出すことが。

風情ある宿が多いのも魅力。特に露天風呂付きの旅館を狙うと◎。上質な温泉に浸かりながら眺める由布岳は格別なのだ。

注意したいのが”由布院”と”湯布院”の表記。駅名は由布院だが、ガイドブックには湯布院と書かれるのがほとんど。正確には湯平町を含むと”湯布院”で、含まない場合に”由布院”となるそう。しかし、意識すると混乱する可能性大。どちらも同じエリアと捉えて問題ない。

 

 

「日本一のおんせん県おおいた」を掲げ、県全体で温泉推しする大分県。たしかに、温泉の密集度は日本どころか世界でも有数だろう。しかし、熊野磨崖仏や宇佐神宮といったパワースポット、とり天やハモ料理などのグルメだって見逃せない。来訪の際は温泉巡りをこなしつつ、自分好みのスポットもしっかりチェックしておくべし!

 

大分県観光情報公式サイト
HP:https://www.visit-oita.jp

 

 

Edit & Text:K.Sachio

<PROFILE>

エディター・ライター。ファッション雑誌を中心に、カルチャー系や飲食モノなど、多ジャンルで活動している。動物と家族を愛するハードな甘党。

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