観光名所になりつつある、日本一の道具専門問屋街「合羽橋」

日本観光の定番、浅草雷門からほど近くを通る「合羽橋道具街」。食器や調理器具、食品サンプル、梱包用資材などを扱う問屋が並ぶ、どちらかというとプロ向けの商店街である。決してメジャーな通りではなかったが、日本ならではの食品サンプルが海外で評価、紹介され、最近になって外国人観光客が多く訪れるように。今ではお土産屋感覚で入れる店も増え、要注目のスポットとなっている。

 

 

シンボルの「かっぱ河太郎」と一緒に記念撮影

合羽橋という地名の由来の一つとされるのが、200年近く前にこの地を整備した合羽屋喜八の伝説。私財を投げ打って治水工事に挑む彼に感心し、近くを流れる隅田川の河童たちが手助け。捗らなかった作業がみるみる片付き、洪水に悩まされない土地ができたそう。その喜八の苗字にあやかって「合羽橋」。また、河童の姿を見た人は運が良くなり、商売もうまくいったとか。そのエピソードもあり、合羽橋の象徴として建てられたのが「かっぱ河太郎像」。記念撮影にピッタリのうえ、商売繁盛のご利益まで狙えるとあって、常にちょっとした行列が。金色に輝く異形の姿、たしかに一見の価値あり。

 

海外では入手しにくい特殊な調理器具を簡単に購入できる

楕円形の抜き型や卵焼き用フライパン、麺切り包丁といった、用途の限られる調理器具は、外国だと特注扱い。非常に入手しにくく、高価なのだが、合羽橋なら店頭で気軽かつリーズナブルに買える。しかも日本の職人が手がける逸品とあって、フランスやイタリアなどから一流料理人が訪問。なかには大型トランクいっぱいにフライパンを詰めて帰るシェフも。

 

 

合羽橋を世界に知らしめた精巧な食品サンプル

「元祖食品サンプル屋」に「東京美研」、「佐藤サンプル」など、ロウや塩化ビニール製の食品サンプルを扱う店も点在。本来は飲食店がメニューの見本にディスプレイするものだけにリアルで、なかには本物以上に美味しそうな作品まで。海外で知られるようになって以来、より手軽なお土産用も作られるようになり、ペンスタンドやストラップなど、実用的にアレンジされたモデルが登場。国内外問わず好評を博しているそうだ。いくつかの店舗では製作体験も可能。タイミングがあうなら是非チャレンジを。

 

日本の伝統芸が冴える刃物系ショップには必ず立ち寄るべき

合羽橋巡りに欠かせないのが調理器具店。特に包丁は目玉といえる存在だ。1956年創業の「つば屋」は、同エリアでも早い時期からある包丁専門店で、浅草周辺の料理人はもちろん、世界中のプロから信頼を得ている。にも関わらず、非常にフレンドリーで外国人観光客にだって親切。1000本を超える店内の包丁から、要望通りの1本を選んでくれる。

 

 

料理道具ならおまかせ!の老舗で目当てを探す

1908年から続く「釜浅商店」では、手打ちの行平鍋や南部鉄器、スキヤキ鍋に包丁など、選りすぐりのキッチングッズが揃う。国産のサワラ材を使った”おひつ”、各種セイロ、かつお節削り器といった、思い切り和風なアイテムまで豊富。見ているだけでもワクワクすること請け合いだ。

 

 

実際に見て触れて選んだ包丁は一生のパートナー

包丁をはじめとする商品は、ほとんどの店でむき出しの状態。これは手にとって良さ、相性を確認して欲しいという思いから。ただし、無闇に触ると事故や破損の恐れがあるため、一言スタッフに断ること。

 

 

マニアックな好みにも対応する懐の深い街

そば打ちやお菓子作り、お茶などに特化した専門店があるのも合羽橋の特徴。趣味をとことん極めようとするフリークの探究心が、キッチリと満たされる街なのだ。

 

 

胸が踊るエキゾチックな古美術店も

隠れた人気なのが”五月人形”だ。男の子が健康に育つことを祈って、春に飾る伝統品だが、海外だと鎧のミニチュア的認識。”こけし”や花瓶などの古美術を扱う店では、模造刀に並んで外国人観光客から支持されているそう。ちなみに日本土産のお約束、イミテーション日本刀は1万円前後から購入できる。ほかのエリアで売っているフェイクより本物に忠実であり、ずっしりとした重さも一味違う。

 

 

帰りには江戸の古典メニューであるドジョウをパクリ

合羽橋から浅草駅方向にあるのが、明治時代より看板を掲げる「どぜう飯田屋」。“どぜう”とは川底に生息するドジョウのこと。甘辛い出汁で煮込む鍋を筆頭に、今では珍しいドジョウ料理が堪能できる。少々クセのある味だが、それが江戸のテイスト。丁寧なサービスとともに、日本の下町らしさを存分に楽しめるだろう。

 

170店以上もの専門店が並ぶ「合羽橋」。ドイツの名門刃物メーカー、ヘンケルスが店舗を展開するほど、調理器具界において知られる地域であり、日本の職人文化を伝える拠点ともなっている。1キロにも見たないストリートながら見応えは十分。少し足を伸ばし、浅草観光のプランに加えてはいかが?

 

かっぱ橋道具街

HP:http://www.kappabashi.or.jp

 

 

Edit & Text:K.Sachio

<PROFILE>

エディター・ライター。ファッション雑誌を中心に、カルチャー系や飲食モノなど、多ジャンルで活動している。動物と家族を愛するハードな甘党。

 

 

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